2017/03/21 692

. 事実と真実 .

オルタナティブファクト。トランプ大統領の登場でスポットライトを浴びた言葉です。

日本語に訳せば「もうひとつの事実」。

フェイクニュース同様、主にマスコミ批判に使われ、しばしばその強引な論理に
ブーイングが起こります。



最近の政府の答弁は「オルタナティブファクト」のオンパレード。

本家アメリカも顔負けです。

しかもマスコミ対策ばかりか、国会答弁で堂々と使われはじめました。

南スーダンは戦闘ではなく、紛争状態。

突如の自衛隊撤退は危険が迫っているからではなく、前々から決定していた予定の行動。

報告書は破棄されていたと思いきや、突如出現。

これは隠蔽ではなく、単なる報告ミス。唖然とする答弁が続いています。



国際情勢が緊迫する昨今、シビリアンコントロールが効かない防衛省。

隠蔽と虚偽の報告がなされ、制服組の独走が始まればそれは戦前のいつか来た道。

トップの資質が問われても致し方ない事態です。



証人喚問にまで発展した「森友学園」問題。

民間人の喚問には消極的だった与党が唐突に了解。

ただし公人である官僚の喚問はNGという不可思議さです。

国有地の格安払い下げの解明は売り手、買い手の双方の証言が必須のはず。

「もうひとつの事実」から「ただ一つの真実」が明らかになる日はいつになったら
来るのでしょうか。







2017/03/13 691

. WBC .

WBCの2次ラウンドが始まりました。

日本は1次ラウンドを3連勝。昨夜は球史に残る激闘でオランダ戦に勝利。

5時間に及ぶ総力戦に深夜までテレビにくぎ付けでした。



予想では盛り上がりに欠けると言われたWBC。

スタートすると各国にアメリカのメジャーリーグの選手が登録されておりビックリ。

ルール上、父母のどちらかの国籍での登録がOK。改めてメジャーが世界中の選手で
構成されていることに気づかされました。

トランプ大統領、また一つ大事な産業を潰しかねない入国制限政策は早急に中止に
なさったほうがよろしいのでは、、。



もう一つの独特のルールは投手の球数制限です。

2次ラウンドでは80球、決勝ラウンドでは95球を越えたら投手交代。

50球を超える投球なら、中4日空けないと次の登板はできません。

また延長11回以降はタイブレイク制で無死1、2塁からスタート。

競技時間の短縮と同時にスピード決着で興奮を煽る趣向です。



この独特のルールを考慮し、ピッチャーを多く登録した日本の作戦が大当たり。

9人の投手が絶体絶命のピンチを継投でしのぎ切りました。

剛速球と一発豪打の個人プレーより、監督の采配が決め手となります。

相手が好投手ならファールで球数を稼ぎ、早期の交代を待って次の投手勝負。

自軍では先発完投投手同様、ワンポイント投手の起用も重要。

小刻みな投手リレーと分業制など日本野球の得意分野です。

タイブレークでは三振とダブルプレーが取れる落ちる球の使い手など、頭脳プレー
が要求されます。



柔よく剛を制す。

古来日本では小兵が大男を投げ飛ばす柔道、相撲がもてはやされました。

野球とベースボール。

WBCは日本の頭脳野球の面白さ、強さを世界のベースボールファンに知らせる絶好
のチャンスになりそうです。

決勝ラウンドまで寝不足が当分続きそうです。





2017/03/06 690

. 働き方改革 .

日曜日、朝の散歩でウグイスの初鳴きを聞きました。

朝晩はまだ冷えますが、春は確実に近づいています。

気候が良くなると旅に出たくなりますね。



先月の最終金曜日はプレミアムフライデイの初日。

午後3時過ぎに仕事を終え、週末を有意義に過ごすという政府の働き方改革の初の試みです。

残念ながら実施した企業はわずか数%。定着にはまだまだ時間が掛かりそうです。



働く国民が一斉に休みを取る祝日を増やすのも労働時間の短縮には効果的。

プレミアムフライデイもこの延長線上の施策です。

しかしこの試み、個人消費の増加につながるかには疑問が残ります。



連休の行楽地はどこも満員。道路は渋滞。鉄道は満席。

しかもその料金たるや、ウイークデイの比ではありません。

金、土、日の海外旅行では格安航空券さえ見つけるのは至難の技。

せいぜい飲み屋のハッピータイムでうさを晴らすか、家でごろ寝くらいが関の山です。



個人消費増加を狙うなら断然平日の旅。つまり有休休暇の消化推進が効果的です。

日本の有給消化率は50%弱。勤労者それぞれが有休を使って平日に旅行。

コストパフォーマンスでも、渋滞からのストレス解消の観点からも断然有効です。



政府は有休休暇消化優良企業には福利厚生費への補助金。

その資金で企業は社員への手当て支給。

こうなれば政府、企業、社員の三方得。

この案、ブラック企業撲滅と個人消費増加策として、有効とおもえるのですがいかがですか。







2017/02/27 689

. ラ ラ ランド .

今日は第89回のアカデミー賞の授賞式。

果たして今年の各部門の栄冠はどの作品に輝くのでしょうか。



今年13部門で14ノミネートされた話題作「ラ ラ ランド」。早速見てきました。

日曜日の四日市のシネコンはほぼ満席。まさに老若男女の観客です。

始めて大劇場で最後のエンドロールまで誰一人席を立たない映画を体験しました。

感動でしばらくそのままでじっとしていたい幕切れ。

ミュージカル映画、久々の名作として永く史上に残る傑作の誕生です。



芸能界での成功を夢見る女優志望とジャズマンの恋物語。

エマ ストーンとライアン ゴズリングが歌、踊り、演奏と胸のすく快演です。

冒頭の高速道路での群舞は往年の名画「ウエストサイドストーリー」。

エンディングのセットでの踊りは「パリのアメリカ人」がモチーフかも。

ハリウッドのミュージカル映画へのオマージュが随所に溢れた、しかも斬新な作品
です。



エピローグは主人公二人の「IF」。叶った夢と叶わなかった夢。

もしあの時ああしていれば、きっとこうなったのに。

見果てぬ夢が交錯し、走馬灯のような場面の連続に涙が溢れます。

主人公セブに扮したコズリングのピアノさばきに驚嘆。

同時にミア役のストーンの歌唱力にも脱帽。

日本のチンピラタレントなど及びもつかない、アメリカショウビズ俳優の力が結集
した作品です。

エンディングは私見ですが往年のフランスのミュージカル映画「シェルブールの雨
傘」を彷彿とさせます。

賞の獲得の有無にかかわらず映画ファンには必見。きっと見た後、誰かに話したく
なる映画です。




2017/02/20 688

. 蜜蜂と遠雷 .

今年の直木賞受賞作「蜜蜂と遠雷」を遅ればせながら読破しました。

実はこの本、受賞が決まるずっと前に購入していたのですが、他の本にまぎれ積読本になっておりました。

作者の恩田陸は多くの作品を既に発表している作家。

直木賞候補にも何度も上がっています。

私も相当数、彼女の作品を読みましたが、はっきり言えばイマイチ期待はずれの多
い作家でした。

小説の冒頭から途中までは読み手を引きずり回すほどの力技。

ところが終盤では物語が収束せず、散らかりっぱなし。

アレと思っているうちにジエンド。そんな印象の強い作家でした。



ところがこの作品はプロットが巧妙に練り上げられ、終盤まで息もつかせぬスピード感。

まさに彼女の集大成とも言える壮大な物語です。

特にピアノの演奏を言葉で表現する描写力が秀逸。

まるで音楽が文字と一緒に聞こえてきそうです。

また演奏される曲を物語で表現するなど、音楽の手引書もかくあらんと思えるほど。

コンテスタントの魅力が鮮やかに描き分けられ、思わず応援したくなります。

ピアノコンクールを通して若者が成長する様は青春群像小説としても読み応え十分です。



恩田陸の渾身の代表作。

500ページ2段組という大作ですが、読み始めればアッと言う間。

久しぶりに小説の力を感じることができた至福の二日間でした。






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